〜友成本感想の間(2)〜
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★廣済堂ブルーブックス
 廣済堂ブルーブックスといえば土竜の聖杯シリーズだ。なんとこのシリーズ、3冊すべて文庫になっている。ノベルスからキレイに文庫落ちした友成のシリーズ作品はこれだけだ。その意味では、土竜の聖杯シリーズは古い本ではあるが入手し易い部類に入る。ノベルスも珍しく増刷されているし(2刷までしか見たことないけど)。また、ブルーブックスは装画が素晴らしい。土竜の聖杯シリーズのノベルス版の装画は末弥純だぞ。バベル伝説は天野喜孝だぞ。獣欲の系図は村山潤一だぞう。ドッキドキですね。

◆聖獣都市 廣済堂出版・廣済堂ブルーブックス 1986/08/15発行
廣済堂出版・廣済堂文庫 1988/12/10発行
 新宿の超高層ビルに居を構えるカルト教団「至福教団」でおきた内紛をきっかけに、強力な霊覚がほとばしる。時を同じくして、突然に人間が爆裂する「カマイタチ現象」が多発。教団幹部・早乙女の手により至福教団に狂信した女性たちがホテルに集まりだすに至り、ある意味危険分子な2人が手を組んだ。内調の氷室と、「至福教団はKGBの手先」と信じて疑わない、中央調査隊の陣内である。陣内は部下をひきつれて「至福教団」殲滅に向かう。下水道から侵入を図る武装部隊を、狂信する女性たちが性獣と化して襲う。部下が次々に性獣に精気を抜かれていくのを尻目に突き進む陣内。そしてついに、すべての元凶たるビル地下の教団本堂に奉られた「土竜の心臓」の前に辿りつく……。

 序盤から中盤は至福教団の内紛から洗脳された蔵原と早乙女のイカレぶりが見物だ。腐肉獣と化した蔵原、性獣養成マシーンと化した早乙女の活躍は共にイカしている。だがしかし、これは誰がどう見ても、「凌辱の魔界」の鬼道や殺人鬼キラーシリーズのキラーと並ぶ、イカレスーパーキャラ・陣内の活躍を楽しむ話である。いろんな要素がゴッタ煮になった本作、蔵原がグロ担当、早乙女がエロ担当だとすれば、陣内はバカ劇画担当なのだ。陣内にとって、霊的な幻惑なぞ「知ったこっちゃない!」のである。本能のおもむくままに突き進むのである。行け行け陣内、やれやれ陣内、ああアホだあ陣内!あなたも陣内のト・リ・コ。
陣内の爆笑コメントから。さあ、天高く拳を突き上げるのだ!
えいクソッ、間違えたあ!
腐肉度:★★★
えろえろ度:★★★★
GO!陣内!度:★★★★★

◆凶殺都市 廣済堂出版・廣済堂ブルーブックス 1987/01/10発行
廣済堂出版・廣済堂文庫 1989/03/10発行
 至福教団事件からおよそ十年。土竜の心臓はさらに活動を活発にし、以前教団本部のあったKプラザ周辺は「聖域」と呼ばれる異空間と化していた。至福教団の狂信者となった女たちは今は「レディー」とよばれ、街を闊歩し、男の精気を吸い尽くす性獣として恐れられていた。そんな都心に、十年の歳月を経て、前作で狂死した氷室が地獄の底から甦ってくる。氷室の目的はただ一つ、土竜の心臓を叩き潰すことだ!

 凄いです。はちゃめちゃのまま終わった話をもう一度整理して、組み立てなおして、しかもさらに盛り上がっていくのです。序盤の氷室復活、中盤のレディーのエロ、終盤の狂える武装警官隊、まさにジェットコースターです。ノンストップで読みきれます。しかも、最後まで読むと、あの男が!帰ってくるのだ!待て、次号!
映画「エクストロ」の名シーンからまるまるいただいた、と「内臓幻想」でバラしている、氷室の復活シーン。
ブリッ、そんな音がした。膣口から、頭が出た。粘液に包まれているが、まきれもなく人間の頭。「キャッ」美弥は叫んだ。レディーは、子を産みつつあるのだ。子?いや、大人だ。はみでてきた頭は胎児のようにうっとり目を閉じてはいるが、確かに三十歳を過ぎた成人の、それも男の顔立ちである。
ストーリーができてる!度:★★★
えろえろ度:★★★★
待て!次号!度:★★★★★

◆獣神都市 廣済堂出版・廣済堂ブルーブックス 1987/08/15発行
廣済堂出版・廣済堂文庫 1989/10/10発行
 性獣養成マシーンとしてさらに力を増している早乙女。救世主を求める人々の声。レディーと化した女たち。巨神の影。荒れ狂う武装警官。武装警官を殲滅せんとする「太平天国党」。血肉は飛び散り、銃声は轟き、空が赤く染まった。そして、救世主は、現れた。

 三部作、完結編。どう考えてもオチを想定していない、行き当たりばったりで書いているとしか思えないオモシロ描写が続く。おいおい、こんなんでどうオチをつけるんだよ、と思いながら読んでいたら、わははは!なんだこりゃ!しかもラストが……ぶわははは!いやー、これはいい!3冊読んできてそんなオチか!これだから友成本はやめられん!そして裏表紙の「著者のことば」を見ると、だ。「何を隠そう、実を言えば、このラストが書きたくて、本三部作を始めたのだ。」……うわあ、確信犯かよ!読みましょう。読んで本を床に叩きつけるもよいでしょう。しかしおそらくはこみ上げる笑みに全てを許してしまうでしょう。忘れたくとも土竜の聖杯はあなたの心に残り続けます。そんな話。
男なら野武士として生きよ!太平天国党は野武士集団だ!
切腹したスキン・ヘッドはにっこり笑った。「さあ、おれのぶんも戦ってくれ。負傷した者は、死者も同じ。そんなもの、犬にでもくれてやるがいい。さあ、おれは今から、自分の首を切る。お前は戦いに行くんだ」激励した。「よっし、お前の分も、おれが戦おう。お前の力を、おれに分け与えてくれいっ!」心優しいスキン・ヘッドは、心を鬼にして切腹スキン・ヘッドの臓物を引きずり出し、むさぼり食った。彼が、二人分どころか、十人分の働きをしたことは、言うまでもない。
早乙女って淫獣学園みたい度:★★★★★
野武士度:★★★
衝撃の結末度:★★★★★

◆バベル伝説 人の巻 廣済堂出版・廣済堂ブルーブックス 1989/07/15発行
 大財閥天龍家の堂島武雄がすすめる下町復興計画。だがその裏には、古くから日本の闇の部分に君臨し続けてきた天龍家の当主悟郎による大いなる野望があった。自らの死後でもその闇の支配を続けようと画策し、東京そのものを墓としようと企んだのである。天才建築家・伊賀大二郎はその計画に利用され、計画達成後に暗殺されることが決まっているかのような存在だったが、その建築家としての求心力は堂島や天龍の思惑を遥に凌駕するものだった。多くの人々が盲信するかのように伊賀に従うことを恐れた堂島は、とうとう伊賀暗殺を決意するのだが……。

 三部作の第一篇である。でも続きは出ていない。これだけ読むと消化不良なこと甚だしいぞ、だって「さあ、下準備はできました、これからどうなる?」なところで終わってしまうんだもの。策謀渦巻く天龍家の標的となってしまう伊賀にしても、人物的な魅力すら書ききられることはなく、よくわからないままに皆が付き従うようになり、さらにはあっさりと「暗殺」されてしまう。おそらく第二部以降で伊賀は冥界から復活を遂げる予定なのだろうが、それは続きが出版されたらの話だし。また、描写も非常におとなしく、伊賀が冥府を漂うシーンあたりにちょっとだけ「いつもの描写」が顔をのぞかせるのみだ。血眼になって探す必要はまったく無し。ただ、続きが書かれたらむちゃくちゃ面白いに違いない。
重いフレーズですな。
「お前は、物を造り出す人間だからだ。才能豊かで、物を創造すべく運命付けられた人間だからだ」「どうして、どうしてそれが、罪なのだろう。どうして、物を造る人間は地獄に堕とされなければならない……」
面白そうな設定度:★★★★★
中身の面白さ度:★
続き出版してくれよう(涙)度:★★★★★

◆獣欲の系図 廣済堂出版・廣済堂ブルーブックス 1990/10/10発行
 記憶を失った謎の男、凶助。普段は無抵抗に痛めつけられながらも、覚醒すると突然の殺人マシーンに豹変するのだ。その力を認められ、武闘暴走集団「メデューサ」のボス・鬼子に用心棒として迎えられた凶助は、関東一円に君臨する天龍家の跡目闘争に巻きこまれていく。飛び散る肉片、陵辱される女、近親相姦にまみれた天龍家の秘密、そして凶助とは何者なのか。

 天龍家?そうです、なんと、「バベル伝説 人の巻」と話がつながっております。登場人物もかなりかぶっていて、「なーんだ、三部作の一巻だけ出て終わっちゃったのね〜」なバベル伝説の、これはある意味続編ともいえます。特にラスト近くの唐突な展開は、説明があるとはいえ、バベル伝説を読んだ知識が求められるものです。この作品だけ読んでチンプンカンプンだった人にはバベル伝説を読んでいただくしかありません。叙述トリック!すると、記憶喪失の男、凶助の正体とは……?ぶぶー、あなたの想像とはたぶん違います。とりあえず読んでくだせえ。できれば「バベル伝説」を読んでから。あ、もちろん、本作はそのぶっ飛んだ描写だけでも充分に楽しめます。アクション・バイオレンス・凌辱・グロとサービス満点です。続けて読みたいからって、面白くもなんともない「バベル伝説」に大枚はたく必要はありませんぜ。
鬼子が腹違いの妹・美鹿を誘拐、天龍悟郎を脅迫する。人質とした美鹿への凌辱の果てに……。いやあ、ガラスは苦手だよ。
鬼子の全身が、快楽の汗でメタリックに輝いている。美鹿をガラス片の上で引き廻しながら、マゾヒズムとサディズムの一緒になった快感のあまり、鬼子は立て続けに何度もオルガスムスに達していた。下腹が絶え間なく蠢動し、尻たぶが痙攣している。股間から内腿へと、明らかに汗とは違った種類の粘液が、幾つもの筋を引いて滴っていった。
バイオレンス度:★★★★
えろえろ度:★★★★★
えっ、続きものだったの?度:★★★★★

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